日本庭園の見どころ案内 ~ 露地・野点処 ~
更新日 2023/07/30
愛・地球博記念公園(モリコロパーク)には、愛・地球博の際に整備された広大な日本庭園があります。場所は、園内に新設されたジブリパークのどんどこ森の近くに位置します。
日本庭園には、香流亭(かなれてい)という本格的な茶室がありネットあいち の事前登録をし、利用者カードをお持ちの方であれば予約の上ご利用いただけます。例えば結婚式などで使われることもあります。また、香流亭には立礼席もあり、ご予約なしでお抹茶と茶菓子をお楽しみいただけます。
さて、今回は日本庭園の中でも普段は入場できない露地についてご紹介いたします。
この露地は、回遊苑等のイベント時に特別に解放されます。
ぜひ、イベントにご参加いただき普段は立ち入れない庭園をご堪能ください。
①めだか池北岸の州浜から続く湿地の水辺に建つ舟屋を模した腰掛待合、そこから続く八つ橋、土橋を横に見て大刈込みから茶室に至るまでの露地の景は、愛知にもゆかりの「伊勢物語」の情景です。
②州浜は「伊勢・尾張のあはひの海づらを行くに、浪のいと白く立つを見て『いとどしく過ぎゆくかたの恋ひしきにうら山しくもかへる浪かな』となむよめりける。」の見立て。湿地に咲くカキツバタ、三河の八つ橋へと続き、さらに土橋の奥へと続く道は、「いと暗く細きつたかへでの道」、かずらの細道です。
③広間前の露地は大刈込みの中に飛石が打たれ、武家茶の印象を高める城積みに抱かれて大ぶりの降りつくばいが据えられています。武家茶にふさわしい大らかな露地の造りです。
④対象的に内腰掛から小間に至る道程は、メタセコイアの暗がりの下に広がる地苔の侘びた世界です。腰掛に打たれた飛石・敷石、雨落ちの風情、つくばい、枝折戸、ひとつひとつの点景に心配りを感じる、心地よい緊張の路の景です。